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FUJIFILM Xシリーズは、富士フイルムが2011年から発売しているハイエンドデジタルカメラで構成されているシリーズである。プロと熱心な写真愛好家を対象とした。同社のデジタルカメラ製品の主力である。Xシリーズ自体は単一の共通センサーサイズ、技術やレンズ形式によって特徴づけされていない。むしろ、その主な差別化機能は、高度なデジタルカメラのユーザーが必要とするコントロールに重点を置いている。 X100の発売当初はFinePix X100の名称が使われたが、X10の発表に伴いFUJIFILM X100と呼称が変更され〔富士フイルム、レンズ交換式ミラーレスカメラへの参入を予告 デジカメWatch、2011年10月5日。〕、以降のモデルからはFinePixの名称が付かなくなった。 富士フイルムのデジタルカメラ事業は業界全体の低価格化競争とスマートフォンの急速な普及により苦戦が続いていたが、X100のヒットにより主力をXシリーズに転換したことが奏功し、2014年にデジカメ事業は黒字化を達成した〔富士フイルム、4~9月期営業益25%増 デジカメ事業が黒字化 〕。 ==レンズ一体型FinePix X/FUJIFILM Xシリーズ== *FinePix X100/FUJIFILM X100(2011年3月5日発売) - かつてのフィルム式カメラを彷彿とするようなデザインに、APS-CサイズのCMOSセンサーとEXRプロセッサー、F値2.0の焦点距離23mmレンズを搭載。光学ズーム機能は搭載しない。ホットシューによる各種アクセサリにも対応。光学とセンサーのスルー画像を確認しながら撮影できる二つのモード切替に対応したハイブリッドビューファインダーを搭載した。CP+2011にて、タッチ&トライコーナーでは長蛇の列ができ〔富士フイルムFinepix X100 - デジカメWatch 〕、3月11日に発生した東日本大震災の影響で工場が被災したことで、品薄の状況が続いた〔富士フイルム「FinePix X100」、クラシックな高級機の“マニアもうなる”画質とは? - 日経トレンディネット 〕。販売台数は半年で7万台を超え、年内に10万台を突破する見込みという。〔2012年2月28日に、本体のカラーをブラックにしてレザーケース、レンズキャップ、レンズフード、アダプターリング、プロテクトフィルター、シリアルナンバー入りメッセージカードを同梱した特別セット「FUJIFILM X100 BLACK Limited Edition」が全世界1万台限定で発売された。カメラグランプリ2011「カメラ記者クラブ賞」〔「FinePix X100」がカメラグランプリ2011 「カメラ記者クラブ賞」を受賞 〕、ドイツ「iFデザイン賞2012」〔〕、フォトキナ2010の「Photokina Star賞」〔新開発・高級コンパクトデジタルカメラ「FinePix X100」が、 「フォトキナ2010」において「Photokina Star賞」を受賞! 〕を受賞した。 *FUJIFILM X10(2011年10月22日発売) - X100との違いとして、レンズが単焦点では無くF2.0-2.8フジノン光学4倍マニュアルズームレンズ(超解像2倍デジタルズームと併用して最大8倍ズームが可能)に、搭載センサーは2/3型1200万画素のEXR-CMOSセンサーに変更されている。ハイブリッドビューファインダーも搭載しないが、動画撮影はフルハイビジョン対応に強化された。2011年のグッドデザイン賞を受賞。またXF1とともに、ドイツ「iFデザイン賞2013」を受賞〔FUJIFILM Xシリーズ プレミアムコンパクトデジタルカメラ 「FUJIFILM XF1」「FUJIFILM X10」 ドイツの「iFデザイン賞2013」を受賞 〕。 *FUJIFILM X-S1(2011年12月7日発売) - X10との違いとして、ボディがFinePix HS20EXRとほぼ同じに、レンズがF2.8-5.6フジノン光学26倍マニュアルズーム(超解像2倍デジタルズームと併用して最大52倍ズームが可能)となり、HS20EXRの上位機種としての位置づけもされている。 *FUJIFILM XF1(2012年11月3日発売) - 薄型ボディで有りながらF値1.8-4.9のHT-EBCコーディングフジノン光学4倍マニュアルズームレンズを採用(超解像併用で最大8倍相当まで可能)。センサーは2/3型1200万画素EXR-CMOS。絞り値等を素早く設定できるメインコマンドダイヤル、任意に各ボタンに割り当てられる拡張ファンクションボタンを搭載。X10とともに、ドイツ「iFデザイン賞2013」を受賞〔。 *FUJIFILM X100S(2013年2月23日発売) - X100の後継。センサーがX-Pro1やX-E1で使われているX-Trans CMOSの進化型であるAPS-CサイズのX-Trans CMOS IIに変更された。同時にEXRプロセッサーもEXRプロセッサーIIに変更されている。画素数も1630万画素に増えている。回折現象などの光学的影響を補正する点像復元技術が採用され、絞りが小さい状態でもシャープ感や立体感を得ることが可能になった。14bit RAWに対応し、ハイブリッドビューファインダーもEVF側の画素数が236万ドットに増加した。フォーカス速度は、撮像面位相差AF採用で世界最速の0.08秒を実現。動画撮影もフルハイビジョン60フレーム/秒対応に強化されている。2014年2月22日には、本体の色をブラックにして、専用のレンズフード、アダプターリング、オリジナルサムレスト、赤いレリーズボタンを同梱した「FUJIFILM X100S ブラック リミテッドエディション」が国内1000セット限定で発売された。iF プロダクトデザインアワード2014〔富士フイルムの高画質デジタルカメラ Xシリーズ「FUJIFILM X-M1、XQ1、X100S、X20」と、インスタントカメラ“チェキ”「instax mini 90 ネオクラシック」が「iF プロダクトデザインアワード2014」を受賞! 〕、DPReviewの『GOLD Award』〔プレミアムコンパクトデジタルカメラ 「FUJIFILM X100S」が、 DPReviewで『GOLD Award』を受賞! 〕、EISAアワードを受賞〔フルサイズセンサー搭載機に匹敵する高画質を実現したプレミアムコンパクトデジタルカメラ 「FUJIFILM X100S」が「EISAアワード」を受賞! 〕。 *FUJFILM X20(2013年2月23日発売) - X10の後継。センサーは同日発売のX100S同様、X-Trans CMOS IIを採用するが、こちらは2/3型になっている。撮像面位相差AFで世界最速のフォーカス速度0.06秒を実現。ファインダーには、新たにデジタルトランス液晶が搭載され、撮影情報をファインダー内でも確認が可能。動画撮影はX100S同様フルハイビジョン60フレーム/秒に対応する。カラーリングにはシルバーが追加された。当初は本機種とX100Sは2月16日発売予定だったが、予定以上の引き合いがあった為に延期となった〔デジタルカメラ「FUJIFILM X100S」および「FUJIFILM X20」 発売日変更のお知らせ - 富士フイルムプレスリリース 2013年3月10日閲覧〕。TIPA「Best Expert Compact Camera」賞〔デジタルカメラ「FUJIFILM X-E1」、「FUJIFILM X20」、 交換レンズ「フジノンレンズ XF14mmF2.8 R」がTIPA各賞を受賞! 〕、2013年グッドデザイン賞受賞。 *FUJFILM XQ1(2013年11月23日発売) - Xシリーズの中で最小最軽量をうたう商品。2/3型有効1,200万画素のX-Trans CMOS IIにEXRプロセッサーIIの組み合わせにより0.06秒の高速AF、0.99秒の高速起動、撮影間隔0.3秒、シャッタータイムラグ0.015秒、最大12コマ/秒の連写スピードを実現した。WiFiも搭載し、ワンプッシュで写真をスマホやタブレットに転送出来る「スマホ送信機能」を搭載した。2013年グッドデザイン賞受賞、iF プロダクトデザインアワード2014〔を受賞。 *FUJIFILM X30(2014年9月20日発売) - X20の後継。ファインダーが、光学ファインダーが無くなった代わりに0.65倍の大型表示倍率と世界最短の0.005秒の表示タイムラグを実現した「リアルタイム・ビューファインダー」を搭載した。撮影効果を反映させるかどうかも指定でき、フィルムシミュレーションにはクラシッククロームが新たに搭載された。バッテリーもX20に比べて470枚と撮影可能枚数が1.7倍に増加し、USB充電にも対応した。液晶画面は、上下に角度を調節出来るように改善された。WiFiも搭載し、X-T1同様専用アプリ「FUJIFILM Camera Remote」でタッチAF等のコントロールがスマートフォンやタブレットから可能。スマホdeチェキへのワイヤレス印刷にも対応する。TIPA「Best Expert Compact Camera」賞〔X100T」、「FUJIFILM X30」、 交換レンズ「フジノンレンズ XF16-55mmF2.8 R LM WR」がTIPA各賞を受賞! 〕、「iF デザイン賞(iF design award 2015)」〔デジタルカメラ「FUJIFILM X100T」やスキンケア化粧品「アスタリフト ホワイト」シリーズなど 富士フイルム主要7製品が世界的に権威のある「iF デザイン賞」を受賞! 〕を受賞。 *FUJIFILM X100T(2014年11月20日発売) - X100Sの後継。ピントエリアのデジタル映像を拡大表示できる新機能を搭載し、高精度なピント合わせを可能にした光学ファインダーと、0.05秒と大幅に表示タイムラグを改善した電子ビューファインダーを組み合わせたアドバンスト・ハイブリッドビューファインダーを搭載。また、X100系では初めてWiFiを搭載し、専用アプリ「FUJIFILM Camera Remote」でタッチAF等のコントロールがスマートフォンやタブレットから可能。「スマホ de チェキ」プリントにも対応する。TIPA「Best Premium Camera」賞〔、「iF デザイン賞(iF design award 2015)」〔を受賞、2014年の「歴史的カメラ」に選定〔JCII 日本カメラ財団が2014年の「歴史的カメラ」8機種を選定 〕。 *FUJIFILM XQ2(2015年2月26日発売) - XQ1の後継。ピントが合っているエリアを最大9点表示させる「マルチターゲット オートエリアAF」を搭載。また、フィルムシミュレーションにはクラシッククロームが追加された。「スマホ de チェキ」プリントにも対応する。 *FUJIFILM X70(2016年2月18日発売) - X100Tの下位モデル。同日発表のX-Pro2と異なり、「X-Trans CMOS II」と「EXRプロセッサーII」の組み合わせとなる。同社のAPS-Cセンサー搭載カメラとしては最軽量の340gを実現。焦点距離18.5mm・開放F値2.8のフジノンレンズを搭載。また、Xシリーズで初めて180度回転チルト機能付き静電式タッチパネルディスプレイを搭載し、タッチショット等の直感的操作も可能になった。専用アプリ「FUJIFILM Camera Remote」でのリモート撮影、タッチAFにも対応。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「富士フイルム・Xシリーズ」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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